【日本→タンザニア #4】波乱のインドを超え中東の国オマーンへ

この飛行機からはOman air という航空会社になる。
名前の通り、中東のオマーンという国のLCCである。


乗り込むと、隣には2人のアジア系の青年が座る。
彼らは座ると同時に名前を名乗り、僕に握手を申し込んできた。
歳は同じくらいか、やや相手の方が若いくらいだろうか?
断る理由がもなく握手に応じるが、妙な距離感に、ある種の怪しさを感じてしまう。

その他にも頭上のトランクに手荷物を入れてくれたり、「どっから来たん?」などと興味を持って話しかけてくる。その上に「セルフィ!」と自撮りまで求めてくるではないか。
どうやら悪い人ではないか、巧妙なやり手なのだろう。
後者の場合はもう仕方ないと腹をくくり、彼らと話しながらフライトを楽しんだ。

どうやらインド人である彼らは、オマーン経由でドバイに遊びに行くらしい。
日本人が東南アジアに遊びに行く感覚なのかな、と想像を膨らませる。


そうこうしていると、機内食がやってきた。
マジか。機内食が出るのか。
scootの2本のフライトでは出なかったので、素直に嬉しい気持ちになる。

彼ら2人とともにチキンを選択し、飲み物にはコーヒーをオーダーした。
そのコーヒーを受け取ろうとしたとき、CAのお姉さんがバランスを崩し、カップに入ったコーヒーのほとんどが僕の左手にぶちまけられたのだ。

ーーーっっっあっつい!!!!!
と気持ちでは叫んでいるのだが、単にその事故への驚きと、またと無い面白いネタができたことへの高揚感から、反射的に「No problem :)」とかなり紳士的な対応を取ってしまった。

正直笑いさえ込み上げてきた。
隣の彼らもコメディのような喜劇に思わず笑みが溢れている。
場の空気からか、怒っていない客への安心からか、釣られ笑いなのか、事故った張本人のCAのお姉さんも笑っている。
…おい姉ちゃん、なにわろてんねん。


そんなこんなな機内食と、入れ直してくれたコーヒーと、手を拭いたウェットティッシュの写真である。
小さなナンが付いているのが郷土感があり面白い。
味はそこそこ美味かった。

ヨーグルトに砂糖をかけようとしたとき、隣の彼らが「Sugar?」と聞いてきた。
いや、書いてるやん。と思いつつも、「Yes,sugar.」と答える。

ーーー煽られている?そう感じた。
出会って数時間しか経ってなくても、彼らは気さくなんだと感じてはいる。
きっとJapaneseが珍しくて絡んできている。そんな風に思っていた。
すると、彼らは塩と胡椒が個装されている袋を取り出し、これは何と書いているのか?と聞いてきた。

ーーーそうか。彼らは英語が話せても読めないのか。
その可能性はあるな、と感じる。
しかし若く、ドバイにまで旅行に行ける財力はあるのに、英語教育は為されていないのか。
あの近年イケイケなインドなのに、そんなことがあるのか。
単に英語が苦手なだけでは?ーそれでもsugar,salt,pepperくらいは読めるのでは。
やはり単に煽られているだけ?ーだが彼らの笑顔に悪意は感じられない。


結局、真相なんて分からないまま、オマーンに到着した。
どうやら手荷物の中身も無事みたいだ。

トランジットの方向へ歩いていると、隣だった彼らを含む5人組が絡んできた。
どうやら実は5人での旅行だったみたいだ。

握手を交わして笑顔で手を振り別れを告げようとすると、
親指を立て、人差し指と中指を揃えて、「セルフィ!」と再び言ってきた。
無論、応じる。

初の中東の地に降り立って3分、僕は5人の友と1枚の写真、そして「セルフィ」のサインを手に入れたのだった。


そのまま彼らと一緒にトランジットへ進んでも良かったのだが、少し1人になりたいという気持ちもあり、彼らとはその場で別れた。
すると目の前にATMがあったので、海外ATMを試してみようと思い練習がてらカードを挿入。
日本のATMとほぼ一緒だ、パスワードを入力し、下ろす額を入力するだけ。
下ろす額を入力するタイミングでレートを認識していないことに気付いたが、まあ100もあれば飲み物くらいは買えるだろうという安易な気持ちで、とりあえず現地通貨の100オマーン・リヤルを下ろした。


トランジットの受付を済まし、まずは恒例のアレ。#airport投稿おじさん

1枚目は背景が見えない写りになってしまったため、ピントを合わせ直して2枚撮った。
遠くに広がる中東のイメージ通りな砂漠は綺麗に写らなかった。

これも最後のトランジットか。と思いながら時間に目をやる。
関西国際空港に到着してから早24時間が経過していた。
もうすぐ、ザンジバル…!


せっかくお金を下ろしたので、何か買い物をしようと辺りを見回す。
!!マクドナルド発見!!!!

そりゃあ食うしかないっしょ。
朝マックもあったので悩んだが、旅の先人から「どこの国のマクドナルドにも大概ビックマックはあるから、それを食べ比べると面白い」という言葉を思い出してビックマックをチョイスした。
値段は…3.3オマーン・リヤル!!!
まじかよ安いな。一瞬思ってから冷静になって調べ直す。
100リヤル=28669.49円というレートだった。しまった下ろしすぎた。

印象的だったのは、無人レジがあったこと。
ビックマックセットを注文してから気付いたので、残念ながら使用しなかった。

受け取ったが、ビックマックを見た感じ、変わったところがないな…?
と思ったが、違う。
ビックマック""だけ""がまともだったのである。

手のひらサイズのポテトとドリンク。
確かにラージサイズではなくレギュラーサイズを頼んだはずだ。
なのに日本のLLセットよりも大きい。
変なところに感心したところで食べ終わり、最後の搭乗口に向かう。

途中、tax freeのお店をいくつか見て歩くが、下ろした額でも買えないお酒がズラッと並んでいたりする。
ここは物価の高い国だ。


というわけで、いよいよ最後のフライトに臨む。